クチート使いの随想録

徒然なるままに

創作

三題噺「兄、銀、夕暮れ」

冬の夕暮れは瞬く間に夜闇に呑まれ掻き消える。 故にこそ、 白銀世界に茜さす。その夢現の狭間の絶景は、筆舌しがたい美しさと、強烈な印象を以て心を塗り囚える。 Every rose has its thorn. 輝かしい夕暮時はまたの名を、逢魔ヶ刻と言う。 2月1日 水曜日 …

園児回想詩

一人、一人と園児たちには親の迎えがやってくる一人、一人と僕はそれを見送った日が昇り、燦々と輝き晴れ渡る頃には 隣の幼稚園からの叫声は波が引くように消えていった日が落ち、空が黄金色に染まる頃には 仲間が一人ずつ減っていく見送って、とうとう僕と…

【短編】譲歩

「なあ、実は俺、朝倉のことが好きなんだ……」 生命力と瑞々しさに溢れていた緑葉の数々も赤く黄色く染まりつつある晩夏の夕暮れ、いつものように並んで下校路の川沿いを歩いているとタケルは急にそう口を開いた。 僕は動揺を決して悟られまいと、必死に冷静…

精霊序説

ある時、世界が出来た。 世界は火・風・水・土によって構成されていた。 それら四大元素は、アルケーであった。 アルケー以上の意味を持ちえなかった。 ある日、天才が登場した。 天才は錬金術師だった。 彼はアルケーに名を与えた。 火はサラマンダー。 風…

三題噺競争「ガラス、財布、血」

私の名前は綾小路ほたる、今をときめく17歳!見慣れた通学路を駆けるエネルギッシュな女子高生!責任感は人一倍、困ったことはお任せあれ! んん?どこからかすすり泣く声が…これはよもやお困りの予感!?ここで見過ごすはお手伝いマスターの名折れというも…